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第57号

2009年01月01日発行

脱、構造改革宣言

参議院議員西田昌司

12月補正は何故提出されなかったのか

麻生内閣の支持率が急降下しています。組閣時には50%を超えていた支持率は、その半分になり、まるで政権末期の様相です。その原因のひとつが、景気対策が第一と言いながら第2次補正予算を提出しないからだと、マスコミは述べています。しかし、何故、麻生総理が補正予算を提出しなかったかについては殆ど報道がありません。これでは国民が正しい判断をすることは出来ません。
 仮に、補正予算を12月1日に提出をしていたら、どういうことになったのでしょう。憲法の規定により予算は衆院の議決が優先されますから、その議決後30日で参院の議決の成否、有無にかかわらず、自動的に成立します。従って、年内の成立は可能でしょう。しかし、予算には財源が必要です。この財源を担保する「予算関連法案」を成立させるには衆参両院の議決が必要です。現下の民主多数の状態では、参院の議決は非常に不確実です。参院で否決をすれば、衆院で3分の2の多数により再議決が可能ですが、参院で採決をしない場合には憲法により60日たってようやく参院が否決したとみなされ、再議決が可能になるのです。従って、仮に12月1日に補正予算を提出し、直ちに衆院で可決したとしても、再議決には、最短で1月30日になることが予想されます。その為臨時国会の会期を1月30日以降まで延長することが必要となるのです。ところが、国会法により通常国会は毎年1月中に開催することが定められていますから、1月31日には通常国会を開会していなければなりません。このように、日程の余裕が殆どないのです。
しかし、現実には衆院で十分に審議しないで即日可決はできないでしょう。結局、臨時国会の延長には制限があるため、補正予算成立は民主党の協力がない限り事実上不可能なのです。ところで、彼らが補正予算成立に協力する可能性があるのでしょうか。大連立構想、日銀総裁人事、揮発油税、新テロ特措法、金融機能強化法、どれをとっても当初の協力の約束を反故にし、政治を混乱させてきたのは周知の事実です。この為、麻生総理は補正予算の12月提出を断念し、年明け早々の1月5日に通常国会を召集し、ここに提出する道を選ばざるを得なかったのです。このことを是非皆様にご理解いただきたいと思います。

冷戦終結が生み出したバブル

今日の不況の原因がアメリカ発の金融恐慌にあることはご存じのことですが、その根本原因はアメリカ型社会そのものにあります。1989年のベルリンの壁崩壊により、東西冷戦は事実上終わりました。そして、共産主義・社会主義と自由主義のイデオロギー対決も自由主義の圧勝で終わりました。今まで閉ざされていた東側諸国も次々に自由主義経済を取り入れ、世界はひとつの市場にまとめられたのです。いわゆるグローバルマーケットの誕生です。その結果、共産主義や社会主義のように国が計画をしたり規制することは悪で、全てを市場に任せておくことが善だ、あとは神の見えざる手で調整してくれるはずという新自由主義がもてはやされることになりました。こうした中、政府はできるだけ小さくし、予算もどんどん削減する。民間に何でも任せることが改革だと言われてきたのです。これが構造改革です。
 しかし、その結果どうなったのでしょう。アメリカは、グローバルマーケットが誕生したおかげで、世界中からお金を調達しそれを投資することにより、莫大な利益を上げました。その象徴がサブプライムローンです。本来、住宅を買うことができない低所得者に、高い金利でお金を貸し出して成り立つはずがありません。しかし、そこに保険をつけ、また証券化することにより、リスクを分散すれば大丈夫だろうという小理屈をつけ融資を実行したのです。当初は、住宅市場が一気に活性化し、土地や住宅の値段は値上がりをしました。こうなると、住宅を手に入れれば返済できなくとも値上がり益で儲かると、ますます住宅市場は活性化し、それにつられて皆がお金持ちになった気分で次々にモノを買い出します。アメリカがモノを沢山買ってくれることをあてこんで、日本も中国も世界中の国がモノを沢山製造し売ることができたのです。しかし、そもそもこれが、砂上の楼閣であったことは今や明らかでしょう。世界中の国が冷戦終結以来、20年もの間、誤った経済政策をしてきたということです。

新自由主義による構造改革の誤り

景気対策をするには、この大反省の中から議論を始めなければなりません。この20年の新自由主義的政策の失敗から学ぶべき教訓は、まず第一に、市場に何もかも任せることはできない、ということです。先に述べた様に、世界中のお金を市場に任せておくと必ずバブルを生み出します。これを避けるためには、過剰な投資を制限するためのルール作りが必要です。お金を民間市場に委ねることを規制するということは、言い換えれば、政府が投資の長期的方向性をしっかり示すということです。
 例えば、国防、防災、資源・エネルギー・食糧の確保、家庭や地域社会の再生、国民教育、社会保障など、民間任せではでき得ないものが沢山あります。こうしたことに対しては、政府が率先して投資して行かなければならないのは当然のことです。しかし、この20年間はこうしたことも含め、全予算をカットすることがまるで国是かのように言われてきました。その背景にあったのは財政再建という問題です。
 国・地方合わせて、778兆円にのぼる借金があると言われれば、誰もが無駄を廃し、支出を削減せよと言う気になります。官から民に任せよと言う声が出るのも、当然の話でしょう。しかし、財政を引き締めて予算をカットするだけでは政府の仕事そのものができなくなり、社会が混乱するだけで、問題の解決にはなりません。もう片方で、収入を確保する話が議論されねばならないのは自明のことです。
日本の国民負担率(税金と社会保障の負担額の国民所得に対する割合)を調べてみると40.1%で、これは他のイギリス(48.3%)、ドイツ (51.7%)、フランス(62.2%)、スウェーデン(70.7%)という先進諸国に比べて最も低い数値です。アメリカは34.5%で日本より低いですが、この国には国民皆保険制度もなく、むしろ例外として考えるべきでしょう。これからは、この国民負担率をどうするかという話をきちんとしなければなりません。

成長神話の誤り

国民負担率は低ければ良いというものではありません。それは、各国の国柄や社会状況により違うのです。また、負担が増えるということは、必ず社会保障などの給付が増えることとセットになっていることも忘れてはなりません。たとえば、日本が若く、経済成長をし続けていた時代では、国民負担率が低くても良かったのです。経済成長のお陰で国民所得は増加し、経済のパイは大きくなり、税収は毎年自然増加してきたからです。又、若い国ですから病気も介護も年金も少なくてすんできたのです。今、この大前提が壊れてきたのです。これが、いわゆる少子高齢化という問題です。そこで、移民をどんどん受け入れようと言う人がいますが、私は反対です。それは、日本の国柄を急激に変更することに対しての危惧と、そもそも人口増加が良いとは思えないからです。
たとえば、多子化により日本の人口が今後増えつづけ、やがて50〜100年後には2億、3億になるとしたらどうでしょう。経済は成長し、国民負担率も低いままで良いかも知れません。しかし、その人口を賄うための食糧やエネルギーはどうなるのでしょう。今、世界のかかえる根本的問題は、人口爆発により食糧や資源エネルギーの不足が生じるということです。地球温暖化という環境問題も、このまま全世界が経済成長路線を続ければ、地球はパンクするというのが事の本質です。つまり、人口増を前提とする経済成長路線は論理的に破綻しているのです。
今日の日本の問題は、こうした根本的問題が議論されず、経済、財政、社会保障、地方分権論など、あらゆることが個別バラバラに議論されていることです。その結果、国も地方も家庭も混乱し疲弊しているのです。議論すべきは個別の政策ではなく、それらを統合した国柄の話です。そう考えた時、これから日本が目指すべきは、アメリカではなく、ヨーロッパのような成熟した社会です。
その時キーワードとなるのは、今までのような紋切り型の自由や成長ではなく、国柄のことを考えた節度や均衡という言葉だと思います。

自由と成長から節度と均衡へ

新自由主義では、日本の国柄を守れないばかりか、世界が破綻する。今日のアメリカ発の金融危機はそれを私達に教えています。国柄を守り、世界を救うためにも、「自由と成長」から「節度と均衡」へ議論と政策の方向を転換すべき時に、今さしかかっているのです。これは日本だけでなく、全世界に共通することで、そういう意味では歴史的転換点に立っていると言えるでしょう。恐らくこれから多くの国(アメリカでさえ)が行き過ぎた自由化、市場原理主義を修正し、規制と節度を求めることになるでしょう。にも関わらず、日本ではいまだに、構造改革路線に反対するのは保守派だと、過去に縛られたままです。私は、府議時代より一貫してこれに反対してきましが、自民党内でも心ある方々が基本政策の大転換を訴えています。それがマスコミには正しく報じられていないのは誠に残念です。
誤てる構造改革路線からの一日も早い脱却が必要なのです。麻生総理には、このことを国民に明確に示し、信を問うて頂きたいと思います。皆様のご賛同をよろしくお願いします。

瓦の独り言
−粢(しとぎ)とお餅つき―
羅城門の瓦

粢(しとぎ)。瓦が初めて耳にしたときは、しっとりとぽっちゃりした色白の美人を想像していました。「粢:神前に供える餅の名.古くは米粉を清水でこねて長卵形としたものを称した.(広辞苑より)」と書かれています。この粢にお砂糖を加えたモノが和菓子のルーツと言われています。
 我々日本人は古来より、稲作文化を受け継いできました。「お米」の「次」に姿を変えると「粢」になる。何とも、妙を得た言葉であり、神前にお供えするお餅の原型と言われており、神前に供えるお餅のことを「しとぎ餅」とも言っています。
 この、お餅と言えばお正月などのめでたい行事に欠かせない食べ物ですが、ライフスタイルの変化などでお正月ぐらいしか口にしたことがない方もいらっしゃるのでは・・・。
また、スーパーマーケットなどでは年中お餅が売られています。本来、お正月を迎えるためのお餅つきは神聖な行事で、古代から農作物の神々をあがめ奉り、お米の霊魂と人間の霊魂が渾然一体となって新年を迎える行事の一つであったようです。したがって、その餅つきに必要な臼と杵は神聖なモノとされています。農村部でも余り見掛けなくなりましたが、臼は土間の大黒柱のそばに置き、家を新築したときは一番に臼を運び入れたそうです。
 瓦の家では、まだお餅つきをしており、そのための道具である臼、杵、蒸籠(もち米を蒸す道具)、餅箱などは三代つづけて使っており、50年以上の骨董品的代物で、大切に使っています。29日は苦餅といって忌み嫌い、いつも暮れの30日に一日がかりで、お餅つきをしています。
 お正月にお餅を食べる意味も、お餅つきをすることも、今一度、見直してみてはいかがでしょうか。お餅つきの行事については、幸いなことに、幼稚園、小学校のPTAなどの方々のおかげで引き継がれています。この日本の伝統文化である(大層に思われるかもしれませんが)お餅つきの火を絶やさないことも瓦たちの世代の使命ではないかと思い、粢の意味を取り違えていたことを恥じ入っています。



お知らせ
京都南区西田後援会からのお知らせ
新年恒例おでん会
日時:1月11日(日)12:00〜16:00
場所:西田議員宅
会費:¥1,000

第40回 後援会旅行会〜おいしいとこどり東北3日間の旅〜
平成21年9月6日(日)〜8日(火)
※お問い合せは西田事務所まで(075-661-6100)

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