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第87号

2016年07月25日発行

参院選与党勝利!
今こそ、大胆な財政出動が必要だ!

参議院議員西田昌司

イギリスのEU離脱

−安倍総理に参議院選挙「後」の経済政策について提言をいたしました−

 イギリスでは、国民投票によりEU離脱が決定いたしました。このことを受け、ユーロやポンドは売られ、株価は世界的に大幅に下落しました。正に、世界経済は混迷の時代に突入しています。
 ヨーロッパの国境を無くし、一つの市場として発展していくという理想にヨーロッパの人間でない日本人は何の疑問も無く共感していたようです。その為、日本国内では、国民投票で離脱派が勝つことは予想外であり、何故イギリス人が離脱を選択したのか理解できない、という戸惑いの報道に終始しています。挙句の果てには、あれほど民意を重視していたマスコミが、軽々に国民投票などすべきでない、とヒステリックに報道しています。これには私も呆れましたが、EUについては当初から様々な問題があったのです。

EUとはアメリカに対抗するためのグローバリズム

 イギリスのEU離脱には様々な原因がありますが、根底に有るのは、冷戦後世界の主流となったグローバリズムに対する疑問です。元々、イギリスは大陸のヨーロッパとは違う海洋国家です。冷戦後、アメリカ一極体制に対する防波堤としてEUに参加したものの、ユーロによる通貨統合を拒否しポンドを守ってきました。
 冷戦後のグローバリズムとは、ヒト、カネ、モノが国境を越え自由に移動できる仕組みを作れば、世界経済は大いに発展するはずだとする考えです。この考えを進めると言葉や人種、宗教、文化など人間社会の根本的枠組みを無くすことになります。これにより、国家の主権より企業活動を優先できることになりますから企業にとっては便利な制度です。そして実際、企業の業績も大きく伸長しました。
 しかし、その結果、人間社会には大きな爪痕を残すことになりました。先ずは移民の問題です。EU域内では自由に行き来することができるため、東ヨーロッパやイスラム諸国からイギリスなどの西側先進国に大量の移民が押し寄せて来ました。結果として、彼らは先進国の国民の雇用を奪うことになりました。また、短期間に大量の移民が押し寄せたため、地域の伝統社会とも軋轢を生み出すことになりました。そのため、グローバル企業にとっては業績を伸ばすことのできる良い制度でも、先進国の国民にとっては自分たちの雇用を奪い伝統的社会を破壊する酷い制度でしかなかったのです。そうした潜在的な国民の不満が今回の国民投票により示された訳です。従ってこれは、イギリスに限った話ではありません。他の国でも国民投票をすれば同じような結果になる国もあるでしょう。これは、企業が国境を越え自由に活動できるグローバリズムという名の経済至上主義に対して人間社会が反旗を翻したと解釈すべきです。

日本における新自由主義も根は同じ

−木村弥生衆議院議員の京都3区支部長就任に伴い、記者会見を行いました−

 こうした経済至上主義は日本においても社会を席巻しました。バブル後の規制緩和路線はその典型で、企業活動に妨げとなる法律やルールを撤廃すれば民間投資が進み経済は成長するはずだと、多くの学者が喧伝しました。またマスコミもそれをもて囃しました。その結果、起きたのが地域間格差です。規制緩和により容積率の引き上げられた首都圏を始めとする都市部ばかりに投資が集中し、他の地域の雇用を奪う結果になりました。企業にとっては効率的投資のできる良い制度でも、人間社会にとっては社会を分断する悪しき制度であることは今や誰の目にも明らかでしょう。

アベノミクスは輸出促進一辺倒ではない

 さて、イギリスのEU離脱や中国経済の減速などにより世界経済は混乱し、日本の株価も下落しました。マスコミや野党は、円高と世界経済の低迷で輸出企業の業績が下がるのはアベノミクスの失敗だったと主張していますが、全くの見当違いです。そもそも、日本をデフレの底に落とした民進党などの旧民主党の方々にアベノミクスを批判する資格はありません。
 そもそも、アベノミクスの原点は、一つに日銀の異次元の金融緩和、二つに機動的財政出動、三つに民間投資による成長戦略です。輸出促進という点では世界経済低迷の影響を受けた部分があることは否定できませんが、二本目の矢である機動的財政出動はいわゆるグローバリズム路線とは一線を画すものです。これは、民間企業に自由に投資をさせるだけでなく、政府が各地域、各産業など、国全体を見渡してこれから必要となる投資を積極的に行うという意味です。この様に安倍総理は財政出動の役割の重要性について明言しているのです。

野党やマスコミこそグローバリズムに飲み込まれていた

 事実、安倍総理が四年前に政権を奪還した時には、積極的に財政出動をして景気を押し上げていたのです。その時これをばらまきと否定していたのが、当時の民主党でありマスコミ出会ったのです。「コンクリートから人へ」や「事業仕分け」に象徴されるように、財政カットが民主党やマスコミの一貫した姿勢です。彼らは、財政出動を利権や癒着の温床と決めつけ、これを削減することが正義だと思い込んでいるようです。勿論無駄な財政出動は必要ありません。しかし、東京ではインフラ整備が完成していても、地方ではまだまだ不十分です。地方には人が少ないから無駄な投資だという彼らの理屈は、結果的には東京への一極集中に拍車をかけるものでした。
 そもそも財政出動を無駄なものとする考え方自体が、グローバリズムにより刷り込まれたものであり誤りです。先述したように、冷戦後の世界潮流として、企業活動に不利益な国境や規制を取り払うという経済至上主義が世界中に蔓延しました。そしてこの考え方の延長線上に、法人減税や財政出動を減らすことにより、官から民へ資金をシフトさせることを正当化してきました。政府より企業の方が効率的な投資をするはずだから、企業が自由に使える資金の量を増やせば社会は効率化し経済は成長するはずと思い込んでいたのです。
 しかし、これが間違っていたのは今や自明です。企業は儲かることにしか投資しませんから、投資先は偏ったものとなりました。成長率の低い先進国から成長率の高い後進国へ投資が移り、先進国の中でも都市部にのみ投資が集中しました。
 その結果、先進国は投資が不足しデフレに陥りました。また都市部と地方との間で投資の格差が起き、同じ国の中でも分断現象がおきました。また後進国も多額の外資による投資で経済成長はするものの、他の国にもっと良い投資先が見つかれば直ちに外資が引き上げられ、経済は大変不安定になりました。こうした事はこの20年の国の内外を省みれば明らかです。残念ながら、野党もマスコミもこうした事実を全く理解していません。

アベノミクスの本質は財政出動を認めたことにある

−参院選の選対本部長として二ノ湯候補の応援に府下各地を回りました−

 構造改革が叫ばれ、官から民へと言う考えは自民党政権の時代にもありました。しかし、これが東京一極集中と地方の疲弊をもたらし、日本全体をデフレ化させたのです。野党時代に自民党の政策の誤りを安倍総理を交えての勉強会で、私は再三にわたり指摘をしてきました。
 その結果、アベノミクスの二本目に矢として機動的財政出動が記載されたのです。そして、政権奪還した直後は、財政出動が実質的にGDPを押し上げたのです。金融緩和により円高が是正され、輸出企業の業績を回復させたことと共にアベノミクスの成果を証明するものでした。残念ながら、積極的財政出動は1年目にしか行われず、その後は消費税の増税を行うなど財政再建路線に方向転換してしまいました。その結果、完全なデフレ脱却には至らなかったのです。安倍総理はその時の反省から、消費増税を2019年の10月まで再延期することを決断されました。

10兆円を超える補正予算とシーリング解除が必要

 しかし、増税の延期だけでは経済は好転しません。世界経済の混迷により外需が期待できないため、内需拡大をもたらす事業が必要です。私が提唱する新幹線ネットワークの構築はその典型です。また、高速道路の拡充も必要です。昨年、京都縦貫自動車道は完成しましたが、暫定二車線区間がかなり有ります。高速道路で対面通行をすれば正面衝突のリスクが高まり、事故の死亡率は格段に増えます。追越車線がないため高速道路が低速道路になっています。道路整備はまだまだ不十分です。  こうした事業を完成させるには、5年から10年はかかるでしょう。補正予算でスタートダッシュは出来ますが、長期にわたる事業を完成させるには、補正予算ではなく、毎年の当初予算のレベルを上げなければなりません。これを妨げているのが、予算を対前年比でコントロールするシーリングという仕組です。無駄を排除し予算の規律を高めるためには意味が有りますが、財政出動によるデフレ脱出が必要な時期には不要です。
 参院選与党勝利により株価は上昇しています。市場は大胆な財政出動を期待しています。市場が驚くほどの超大型の補正予算と新幹線ネットワークの様な国民に夢を与える政策の提言が今こそ必要なのです。

瓦の独り言
−インバウンド2,000万人を超える−


羅生門の瓦

 「インバウンド」って、聞きなれない言葉なのでネットで調べてみました。日本から外国へ出かける(海外旅行)ことを「アウトバウンド」とよび、その反対です。つまり日本へ外国人が訪れることですが、これが年間2,000万人を超えるというのです。そういえば、京都市内の観光地はもとより百貨店、スーパーマーケット、スーパー銭湯、居酒屋、さてさて「ねこ喫茶店」まで、あらゆる場所で外国の方に出会います。それも中国、韓国などのアジア系の方だけではなく欧米系の方が増えています。
 観光庁(平成20年に設置)によると、訪日外国人の一人当たりの旅行支出額は176,168円、旅行消費額は3兆4,771億円と言われています。そう言えば中国人の購買現象を「爆買い」と称して流行語大賞にもノミネートされたとか。
 南区においても地下鉄「九条駅」の近くのホテルから朝に大きなスーツケースをガラガラと引いた一個連隊が京都駅に向かう光景をよく目にします。このスーツケースのガラガラ音が本願寺さんの周辺では騒音(?)らしく、お年寄りが迷惑しているとか。
 さて、このインバウンドで京都を訪れている外国人は何を期待しているのでしょうか?2つのグループがあると思います。「お稲荷さん」「金閣寺」「清水寺」などの観光地を訪れて、焼き鳥、焼き肉、ラーメンを食べるグループ。名所旧跡は行き飽きた、無理に予約してでも京懐石料理を食べたいと思うグループに分かれます。後者のグループには欧米系のデープな考えの外国人(仏・独)が多く、場合によれば日本人より日本のことに詳しかったりして・・・。後者のグループの観光客を満足させることが重要であることはだれの目にも明らかなのですが、その手法がわからない。特に、「京ものに触れたい」「京都の伝統産業を知りたい」と希望される。でも、どこへ行けばいいの?誰に紹介してもらうの?
 そこで、この要望に応えるため、京都市(京都伝統産業ふれあい館)では「京都工房コンシェルジュ」なるサイトを立ち上げました。瓦もお手伝いをさせていただいております。これは京都にお越しの内外のお客様に、気持ちよく「伝統産業の工房」を見学していただき、また体験もしていただくものです。訪問先の工房にはそれなりの対応(語学、習慣etc)が可能となっております。
 これからは、数の勝負ではなく、質の勝負です。質で勝負するには十分な論議、準備が必要なことは言うまでもありません。(憲法改正もしかりです) これは、われらが信託し、国会に送り出している西田昌司参議院議員も同様なお考えを持っておられる、と思っているのは、瓦一人ではないはずです。

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