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第84号

2015年10月15日発行

安保の次は経済再生!

参議院議員西田昌司

新幹線ネットワークでメガリージョン創生を!!
安保法制が成立


藤井聡 内閣参与と共に、安倍総理に10兆円規模の補正予算の申し入れに官邸を訪問しました

 第189通常国会で、安保法制がようやく整備されました。これにより日米同盟は強化され、他国が日本に攻撃することを抑止する力は格段に増加しました。野党は、アメリカの戦争に日本が巻き込まれると主張していますが、そもそも、アメリカに先制攻撃をする国など今の時代考えられません。また9.11テロなどのアメリカへのテロ攻撃に対する報復に日本が参加する事はありませんし、できません。なぜならそれは日本に対する攻撃ではないからです。いずれにしても、これからこの法制の具体的な適用のあり方については、運用規定が整備され、国会での今後の議論の中で明らかになるでしょう。
 かつて60年安保の改定の時には、国会の周りのデモ隊が総理官邸に突入し、死亡者まで出るという事態が生じました。今回の法整備をこの時と対比してみると随分違いがあります。あの当時は、戦後15年目、独立後8年目でまだまだ戦争の余韻が残っていた時代です。そのため、安保改定に反対する意見も、文字通り反戦平和、非武装中立と言うかつての社会党のような考え方の人もたくさんいました。また、そもそも独立国であるにも拘らずアメリカ軍が駐留していることに対して反対だという意見もありました。
 しかし、過去を見つめ直してみると、反戦平和は良いとしても、非武装中立で国が守れるはずがないのは今や常識であり、それを主張する政党は国会には存在しません。また、アメリカ軍の駐留も、日米地位協定を見直す必要はありますが、それに伴う防衛力の強化は必要です。
 憲法学者の違憲発言のため国民が混乱し、この法制に対する理解が未だ十分でないのも事実でしょう。しかし、その一方で、自国を守るためのこうした法整備が必要であると感じている国民が7割近くもいると新聞の世論調査にもあります。まさにここに国民の本音があるのです。

GHQの命令で占領中に憲法と自衛隊が作られた

 安保法制の理解を広げるためにも、憲法が作られた経緯を国民にきちんと説明しておく必要があります。その1つは、昭和21年にGHQが憲法を作り与えた時、彼らは日本の完全なる武装解除を目的としていたという事実。その2は、昭和25年に自衛隊が作られたのは、朝鮮戦争の勃発によりGHQが占領方針を180度転換し再軍備を命令したからであると言う事実。つまり9条があるにもかかわらず自衛隊があると言う根本矛盾は、GHQの占領政策が変更されたために生じたという事実をきちんと国民が知らない限り、安保法制の理解は進みません。
 残念ながら、今回の安保法制の審議の中でも、9条と自衛隊の矛盾の原因がGHQの占領政策の変更の為であると言うことを誰も指摘しませんでした。またこの事実を、現在も学校教育の中で子供たちにきちんと教えていません。今後も歴史の事実を国民に丁寧に説明していくことが必要です。

岸から池田へ 安保から経済再生へ

 安倍総理は祖父の岸総理とよく対比されます。岸総理が行った安保改正も、当時は国民の反発を招きましたが、結果的には日本の安全保障に寄与し、その後の日本繁栄の土台を作ったと現代では評価されています。今回の安保法制も後世必ずや国民の理解と評価を得るもの安倍総理も確信されているでしょう
 ところで、岸総理は国民の反発を招き死亡者まで出た騒動の責任を取って辞任され、その後任に池田総理が就任されました。池田総理は岸総理の安保改正最優先から経済再生を最優先に舵を切り、所得倍増方針を掲げて後の高度経済成長の土台を作りました。安保で国を安定させ次は国民生活を豊かにする、こうした政策順位の変更は学ぶべきところがあります。
 安倍総理は、対立候補がない中、自民党総裁に再選されました。当然、政権も継続するのですが、先人にならい、政策の優先順位は安保から経済再生に変更する必要があります。安倍政権は強権的だと言うイメージを払拭するためにも、ここは経済再生を最優先に舵を切るべきです。

中国の景気後退とVWショック


参議院本会議にて安全保障関連法案に賛成票を投じる

 こうした中、世界経済を牽引してきた中国経済がここへ来てバブルである可能性が高まってきました。急激な景気拡大や市場を無視した生産拡大のツケが一気に回ってきているようです。また天津での工場爆発などは、その原因が未だ不透明であり、政権内部の権力抗争と言う見方も出ています。こうした中国経済の不安定要素が世界経済を後退局面に追いやっています
 またEUの牽引役だったドイツにもフォルクスワーゲンショック(VW)が大きな影を落としています。今年はトヨタを抜いて世界一の自動車生産メーカーに踊りでたVWですが、アメリカの環境保護局の調査により、ディーゼル車の排ガス規制を不正なソフトで擦り抜けていたと言う信じられない事実が発覚しました。何故このような不正に手を染めたのか、実態解明はこれからですが、少なくとも数兆円規模の損害が発生するのは確実です。VWの屋台骨を揺るがすのみならず、関連するドイツの自動車業界は勿論のこと、EU全体にも大きな影響を与える事は必至です。

今こそ内需の拡大が重要

 以上のように世界経済全体に暗雲が立ち込めています。輸出関連企業にとっては大変大きなマイナス要素です。しかし、幸いなことに日本の輸出依存度はGDPの10%少々に過ぎません。世界でも稀に見る内需依存国家なのです。逆に言うと内需が低迷してきたことが日本経済デフレ化の原因だったのです。
 内需うちで最大のものは個人消費であり、GDPの6割近くを占めます。これが低迷していた原因は、給与が低迷してきたからです。安倍内閣では春闘において政府自らが給与のベースアップを経団連に要求するなど、国民所得の増加を目指しています。特に内部留保が300兆円にものぼる上場企業の利益の社会還元は、デフレ脱却の上においても焦眉の急です。そのためには、企業が自ら進んで国内で積極的に投資を行い雇用を増やす環境を作ることが重要です。

安倍総理への提言

 こうした思いから、9月の半ばに安倍総理の下へ内閣参与をされている藤井聡京都大学教授と共に、経済再生を最優先にする必要性を提言して参りました。総理も小一時間耳を傾けて下さり、我々の提言に概ねご理解をいただきました。その内容は、10兆円規模の補正予算の必要性とこれを一過性のものとする事なく、長期的な投資計画の必要性を説くものです。
 地方創生が安倍内閣の重要政策課題であるのは周知の通りです。しかし、地方から首都圏への人口流入に歯止めがかかりません。これでは東京が栄え、地方は疲弊する一方です。ところが、その東京も出生率が極端に低いため、長期的には人口の超高齢化が起こり、首都圏では介護が受けられない人、いわゆる介護難民が増加することが予想されています。また首都圏での人口移動と出生率低下は日本の人口減少を加速させてしまいます。つまり、首都圏への人口流入は長期的には日本全体の疲弊に繋がるということです。
 こうした事を踏まえ、地方創生と少子高齢化の歯止め、東京への人口流入の規制は一体として行う必要があり、その結果が経済の再生に直結すると言うことを総理に提言をしてきたのです。その具体策が、新幹線ネットワークによるメガリージョン構想です。

新幹線ネットワークによるメガリージョン構想


自民党本部にて「新幹線ネットワークによる近畿メガリージョン構想」についての記者会見を行いました

 地方創生と東京一極集中の排除、さらには消費増税を控え経済再生が必要にも関わらず世界経済が減速していると言う事実、こうした問題をすべて解決してくれるのが、新幹線ネットワークによるメガリージョン構想なのです。
 その概要は中央リニア新幹線を現在の東京名古屋間だけでなく大阪まで同時開業させる。それにより東京圏と名古屋圏と関西圏を1時間程度で繋ぎ、首都圏の経済集中を解消させる。更に北陸新幹線を関空まで繋ぎ、近畿縦貫新幹線とする。これにより近畿の日本海側から太平洋側への南北アクセスが格段に向上し近畿は一体化する。この結果、東京から関西までが巨大な経済地域として一体として発展することが可能になる。正にメガリージョン(広域経済圏)が誕生することになるのです。
 どの地域からも1時間で東京に行けるわけですから、企業はもはや東京に進出する必要がなくなります。住環境の優れた地元で人材を採用すれば、子育ても楽になり少子化も解消します。また新幹線ネットワークが完成すれば、かつての過疎地域も観光地として復活します。そうすれば、民間企業の投資が進み、内需が増え、雇用を生み、給与が増え、個人投資が増え・・・と、雪だるま式にGDPは拡大するでしょう。

舞鶴から関空まで繋ぐ近畿縦貫新幹線

 私は、この北陸新幹線を小浜から舞鶴を経由して京都駅さらには天王寺から関空まで繋ぐ近畿縦貫新幹線にすべきだと主張しています。
 私が舞鶴を経由することを主張している理由は、若狭や丹後地域が東京へのアクセスに6時間もかかる、日本で最も不便な地域の一つだからです。地方創生をするなら最も不便な地域から始めるべきだと言うことです。一方でこれらの地域には、海上自衛隊や第8管区海上保安本部という海の守りの最重要施設が有ります。原子力発電所もこの地域に集中しています。国家にとって最重要施設が集中している地域をしっかり守ると言うのは国家の責務です。さらに水産資源や観光資源にも恵まれた地域です。
 特に観光はこれから成長が最も期待できる産業です。日本三景のひとつである天橋立を始め、温泉や海の幸など観光資源には事欠きません。唯一の難点が東京へのアクセスの悪さだったのです。北陸新幹線がここを通ればこうした問題は一挙に解決します。更に舞鶴から豊岡、鳥取米子から下関へと将来の日本海新幹線への一歩に成ります。
 概して山陰地方は過疎地ですが、かつては日本の文化の中心であった地域で、歴史的遺産にも恵まれています。寂れたのは交通事情の悪さからですが、新幹線ができれば一挙に発展が期待できます。

関空に繋げば近畿は世界と直結

 また、北陸新幹線を関西空港に繋げば京阪神地域から関空までの時間は30分程度になり、交通アクセスは格段に高まります。近畿全域が海外に直結することになり、その経済効果は計り知れません。
 関空から和歌山を通り紀淡海峡を渡れば淡路島、そこから四国を横断し佐多岬から九州熊本に至る四国新幹線も将来の視野にはいります。紀淡海峡の一部を堤防で繋げば、南海大地震の際に予想される大津波を防ぐことも可能となり、大阪湾沿岸地域の防災上も非常に大きな効果を発揮するでしょう。

新幹線ネットワークに財政出動をすべき

 以上のように新幹線ネットワークが誕生すれば、巨大な民間投資を呼び込む事は間違いありません。それにより内需が拡大し、経済は長期的な成長路線に戻るのです。そのために必要なのは、政府による財政支援です。
 中央リニア新幹線はJR東海が全額負担で建設をすると言っていますが、東京大阪間で10兆円近い建設費がかかります。民間事業者であるJR東海の経営体力の問題から東京名古屋間を先行開業して、その後名古屋大阪間に着手する予定です。しかしこれでは名古屋までの開業が2027年、大阪は2045年になります。あまりにも時間がかかりすぎです。
 東海道新幹線は着工から5年で完成しています。東京オリンピックまでに開業させるという強い意思と、日本の戦後復興のシンボルにする国家事業だからできたのです。しかし当時はその建設費を国内で調達できず、世界銀行から借り入れをして行ったのです。
 それに引き換え現代では、日銀当座預金残高が330兆円にも達しており、投資や融資に使われていない巨額の資金が眠っているのです。政府がこの資金を使い、国家事業として政府が行えば短期間で東京大阪までの開業は可能です。また北陸新幹線は3兆円位の事業費と言われています。これも公共事業費の枠組みを増やせば短期間で建設が可能です。
 10兆円そこそこの政府の支出で10年内に新幹線ネットワークが完成します。東京名古屋関西が一体となるメガリージョンが完成すれば、その何倍もの経済投資効果が生まれます。これこそがアベノミクス第2章の幕開けとなるのです。

樋のひと雫

羅生門の樋

 現在、南米では、ベネズエラとコロンビアの動向に注目が集まっています。ベネズエラのマドゥーロ大統領が、突如として国境付近に住むコロンビア国籍の住民を追放し、国境を封鎖してしまいました。その理由は、ベネズエラのガソリンや生活物資を密輸出していると云うものです。中南米ではブラジルを除き、多少の方言はあってもスペイン語一つで用が足ります。そして、国境はあっても事実上は機能していません。国境付近の村々では人々は自由に往来し、日用品や食料品を買い求めに行きます。通貨さえ、普通に流通しています。
 私もペルーでの仕事を終えると、エクアドルにコーヒを飲みに行ったものです。その際にも検問所で止められることはありませんでした。人々は、エクアドルに午前中に買い出しに行きます。多くの村人には、それが普通のことであり、日常の風景です。
 ベネズエラの国境封鎖と住民追放は、国内の経済政策の失敗が引き起こしたインフレと日用品の品薄から来る国民の不満を、「コロンビア人による密輸出」に理由を求めたにしか過ぎません。誰が見ても明らかな、この単純な仕掛けは、彼を支持する多くの民衆によって「正当性」を与えられています。大体、国境付近の住民による買い出しぐらいで、食料品やガソリンが底を尽くという話自体が滑稽であり、それを口実にすること自体が、大統領の政治力の無さと知能の低さを疑わせるに十分です。
 ベネズエラのチャベス前大統領は、極端なポピュリズム政治を行い、貧困層の支持を得るために金をばら撒きました。これには多くの大衆が熱狂し、彼が行う経済や外交政策に反対する者は、大衆自身の手によって封殺されもしました。また、彼はボリバル主義を唱え、キューバ、エクアドル、アルゼンチンやボリビアと云った反米左派政権のパトロンとして、膨大な資金援助を行ってきました。彼の亡き後は側近であった現大統領が同じ政策を取り続けています。
 しかし、世界の経済動向を無視したこのばら撒き政策も破綻を来します。原油価格の下落は、地下資源依存の国家経営を直撃し、日用品や食料品の価格さえ高騰しています。石油施設を国有化し、オイルマネーを国庫に入れ、これを元に産業を興すべきところを、目先の権力維持に使ったチャベスの罪でもあります。ベネズエラは日用品すら輸入に頼っています。産業を興し国民を飢餓や貧困から救い、生活を安定させるはずの石油資本の国有化は、いつしか政権維持の為の原資になってしまいました。しかし、これを認め、多選のための憲法改革を支持したのも民衆でした。世界一位の石油埋蔵量を誇るベネズエラの悲劇がここにあります。
 ポピュリズムの政治は、国家百年の計よりは目先の利益を追求します。耳に心地よい言葉は民衆を惑わし、そして時として、大衆の声は目先の利に左右され、思わぬ暴挙も生み出します。永い目を持ち、少しの冷静な判断があれば、国を守り国民の安寧を守る方法などは、その大筋では大きな違いなど無いはずです。今国会で見られたような、国と国民を守る具体論無き、為にする違憲論争などは、「日本型ポピュリズム」の象徴かも知れません。

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