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第72号

2012年10月20日発行

安倍政権の誕生で日本再興を

参議院議員西田昌司

安倍晋三総裁の誕生の舞台裏

自民党の総裁選挙で安倍晋三新総裁が誕生しました。
私は、今回の選挙で安倍候補の推薦人に名を連ねておりました。安倍候補にご支援をいただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
私は、かねてから安倍元総理の再登板を期待していましたが、実は、今回の総裁選出馬には最後まで反対をしていたのです。その理由は、今回の総裁選に選ばれた人が事実上次の総理になるのですが、3年間野党の党首として自民党を引っ張ってきた谷垣禎一総裁に、まずその資格があると思ったからです。苦労してきた人を差し置くようなことになれば、国民の理解が得られないだろうということです。
前回の安倍内閣の時代から、戦後レジームからの脱却ということを安倍元総理は訴えてこられました。その意味は、占領時代のように何でもアメリカ任せではなく、自分で自分の国を守り自立するということです。このことは、私が京都府議会議員の時代から訴えていたことと全く同じです。また、今の日本に一番必要なことでもあります。それが推薦人になった理由です。しかし、この本当に大切なことを国民にしっかり理解されないまま、前回、安倍元総理は病気のため退陣せざるを得ませんでした。こうした状況の中で出馬し、もし敗北すれば、安倍元総理は政治的生命を失う恐れがありました。従って、今回は出馬せず次回を目指すべきだと私は主張したのです。安倍元総理もこのことに理解を示され、出馬を最後まで慎重に考えておられました。

谷垣総裁の苦渋の決断に敬意と感謝

しかし、状況は一変しました。多数の候補者が出馬表明をする中、突然、谷垣総裁が不出馬を表明されたのです。それは、自民党の分裂を回避するための苦渋の決断だったと思います。谷垣総裁のこの決断が無ければ安倍総裁の誕生は無かったでしょう。政権奪回のため、自ら捨て石となられた谷垣総裁に対しては、敬意と感謝の念を禁じ得ません。これは、全ての自民党員の気持ちでしょう。事実、総裁選の投票後、谷垣総裁に対する拍手が誰よりも大きく、鳴り止まなかったことがそれを表しています。こうした状況の下、安倍元総理は出馬を決断されたのです。しかし、出遅れは否めず、苦戦が予想されました。

平成の元寇に神風が吹いた

ところが、神風が吹いたのです。民主党の外交の不手際により、中国の船が次々に尖閣諸島に押し寄せて来る「平成の元寇」とも言うべき事態に、国民が目を覚ましました。自分で自分の国を守らなければならないという当たり前のことに気がついたです。そして、それは安倍元総理がかねてから主張してきたことです。こうした国民の意識の変化が追い風となり、安倍元総理に対する期待は、一挙に高まりました。事実、大阪の難波での街頭演説では、安倍候補に対する拍手は他のどの候補よりも圧倒的に多く、その場にいた私自身が驚いたくらいです。まさに、時代が安倍晋三を政治の中央に押し戻したのです。

防衛力の増強が不可欠

尖閣問題や竹島、北方領土などの状況を見れば、防衛力の増強は当然のことです。民主党政権により毎年防衛予算が削減されてきましたが、これを改め、早急に防衛力の整備を図らねばなりません。また、合わせて海上保安庁の能力も高めなければなりません。特に、海保の巡視艇に体当たりした中国船の船長を逮捕したにもかかわらず、当時の仙谷官房長官の命令で、事実上釈放させられた事件は、海保の隊員の士気を著しく傷つけています。
その上、その責任を、那覇地検の次席検事になすりつけるなど政治家として、全く許せません。こうした政治家の責任放棄を糾弾するとともに、現場の隊員が誇りと自信を持って職務を遂行できる体制を整えねばなりません。

実効支配の意味

野田総理は、口を開けば、尖閣諸島は我が国固有の領土であり、我が国が実行支配をしており、中国との間に領土問題は存在しないと言います。確かに、日本の立場はその通りですが、問題は実行支配が揺らぎだしているということです。
元々、尖閣諸島は無人島ですが、1895年にどの国にも属していないことを確認して、我が国の領土に編入されました。そして、開拓が行われ、1941年まで日本人が住み続けて来ました。文字通り実効支配をしてきたのです。
その後、敗戦により沖縄県の一部として、1972年までアメリカに占領されてきました。沖縄返還まではアメリカが実効支配をしてきたのです。1969年の国連の調査により、この地域に石油資源がある可能性が指摘されてから、突然、中国と台湾が領有権を主張し出しましたが、日本の実行支配が揺らぐことはありませんでした。海保の巡視艇が警察権を行使してこの領海を守ってきたからです。
ところが、今は、それが揺らぎ始めています。中国の公船がこの海域に頻繁に出入りしています。勿論、日本の海保の巡視艇もこれに抗議し、中国船の排除に務めていますが、中国公船が退く気配は有りません。日本の領海にもかかわらず、中国の公船が自由に往来していることは、形の上では、日本と同じ立場になっているのです。これこそ、中国が目論んでいることです。警察権の行使を日本と同じ様にしていると彼らは主張したいのです。普天間基地移転問題の迷走から始まる民主党の外交防衛政策の出鱈目が、尖閣諸島領有の危機をもたらしたのです。

領土を守るにはパワーが不可欠

中国は、尖閣諸島は日清戦争で日本が奪ったものだと主張し、韓国は竹島を済州島と同じく韓国固有の領土だと訴えています。勿論、彼らの主張は歴史の事実としても間違っています。しかし、いつから彼らはその主張をし出したのでしょうか。
中国や台湾に関しては、尖閣地域での石油資源の存在が言われ出してからですが、ここまで実力を行使するようになったのは民主党政権になってからです。戦前は、日本の日清戦争の勝利が示すように、国力の差は歴然としていました。戦後も超大国アメリカが占領し、沖縄返還後も日本が国力で圧倒していたのでおとなしくしていたのです。

民主党による外患誘致

ところが、一昨年中国はGDPで日本を追い抜き、世界第二位の経済大国に成長しました。軍事費も毎年増強しています。中国は日本に対して自信を持ち始めたのです。
その上、民主党が間違った外交メッセージを出し続けたのです。安保条約を結んでいるアメリカとの関係と、領土的対立のある中国との関係を同様に扱うという出鱈目をしてきたのです。政権交代直後の小沢幹事長の大訪中団はその象徴です。
その上、防衛予算を少なくし、米軍の普天間基地をできれば国外に移転するというのは、尖閣諸島のみならず沖縄をも中国に献上するに等しいメッセージです。案の定、中国はこの時とばかり、領土的野心をあからさまにしたのです。これでは、民主党による外患誘致だと言われても仕方ありません。

誤った歴史認識による売国行為

竹島も同じことが言えます。韓国は、サンフランシスコ条約が発効して日本が主権を回復する直前に、竹島の占有を始めました。その後も韓国の実行支配を放置してきたことは、自民党にも責任が有ります。
しかし、それ以上に民主党の責任は重大です。1965年の日韓基本条約締結時に戦後賠償問題は完全に解決したにもかかわらず、更なる補償をするかのような発言を民主党の首脳が繰り返し行ってきました。従軍慰安婦問題はその典型です。そもそも、この問題はその存在自体が事実ではありません。
この問題は1983年、吉田清冶(元軍人の作家)が『私の戦争犯罪』を出版し、この中で、自分が済州島から慰安婦を拉致したと書いたことが発端です。しかし、調査の結果、済州島から拉致した事実は見つからず、1989年には、韓国の済州島新聞がこれを捏造と報じました。そして、1996年、遂に吉田清冶自身が「創作」を交えたことを認めました。つまり、嘘だったと認めた訳です。
ところが、この間の1993年、「日本政府が強制したということは認めたわけではない」が、日本軍の要請を受けた業者によって女性が意志に反して集められ、慰安婦の募集について「官憲等が直接これに加担したこともあった」という河野官房長官の談話が発表されたため、韓国側に要らぬ言質を与えてしまったのです。誠にこの罪は重いです。

外国に媚び、国を売る民主党

しかし、民主党の韓国に対する対応はこんなものではありません。民団に選挙応援をしてもらうために、永住外国人に地方参政権付与することを公約に掲げ、野田総理自身が選挙後、千葉県の民団の大会でそのお礼に駆けつけるなど、民団との異様な関係を続けています。また、従軍慰安婦に補償をすべきと、ソウルでの反日活動に参加していた岡崎トミ子参院議員を国家公安委員長に任命したり、前原外務大臣や菅総理、更に野田総理まで韓国人からの違法献金をうけていました。
その後も、民主党の違法な外国人献金は後を絶ちません。
外国に媚る姿勢は民主党の宿痾とも言えるでしょう。こうした民主党の姿勢が、韓国や中国に付け入る隙を与えてしまったことは紛れもない事実です。

一日も早く、安倍政権の誕生を!

安倍総裁が目指すものは、こうした民主党の失政を糾すだけではありません。自民党政権下で行ったものでも、誤ったものや時代にそぐわないものは直さなければなりません。自分で自分の国を守り、自国を愛する。この当たり前のことができなかったことが、全ての問題の原点です。戦後のタブーを乗り越えていかねばなりません。
更に、経済をデフレから脱却させなければ、国民に希望を与えることができません。若者に仕事を、お年寄りに安心を与えるためにも、消費税増税の前にデフレ対策を徹底しなければなりません。
そのためには、一日も早い政権の奪還が必要です。皆様方のご支援、よろしくお願い申し上げます。

樋のひと雫
−総裁選対代表選−
羅城門の樋

今秋は同時期に総裁選と代表選が行われ、次の日本の政治を決する顔を選ぼうとしています(SHOW YOUが出る頃には決まっているでしょうが)。今回の戦いは対照的でもあります。総裁選の方は、告示の日から5人の候補者が多くのTV番組に出て、自己の政治信条と政策方針を国民に訴えました。日本記者クラブでの3時間に及ぶ討論会をNHKが中継したのはその良い例でしょう。片や、代表選の様子がTVに流れるのはニュースの1コマだけでした。如何に政党内の内部選挙であっても、国民生活に直結する政権政党の代表を選ぶ姿としては如何なものでしょうか。
 時あたかも中国では反日暴動が広がり、在留邦人の安全も侵されようとしていた時です。総裁選では外交や国防の在り方にも一論を割き、各人がその具体論にも触れています。「海兵隊の創設」が論議された総裁選は、今までになかった出来事です。時代の進捗、隔世の感を抱かせるに十分なものでした。それに引き替え、代表選は党内融和の話ばかり、議員の為の議員の選挙。中国各地の日本企業の破壊など、何処吹く風の話ばかりです。どちらが政権政党か、聞いていると憤りさえ覚えました。
 この時期、NHKでは吉田茂のドラマを放映していました。戦後日本の復興を経済再生に焦点化し、日本丸の操船をした傑出の政治家です。しかし、彼の対米単独講和が日本の独立の片翼を阻害したのも事実です。戦後復興を果たした今も、日本の外交はODAの援助金を配るだけの外交に陥り、国防という観点からは程遠い地平にいます。某候補者が言っていました。「外交とは片手で握手をし,一方では拳を握りしめること。これなくして外交はあり得ない」と。蓋し、名言です。理念と方法がなければ、国の安全と国民の命は守れないでしょう。
 ユニクロの上海支店では「釣魚島(尖閣諸島)は中国固有の領土」という貼り紙を掲示したそうです。自社の利益だけを考えると、このようなことになるのでしょうが、同じ在外邦人としては恥ずかしい限りです。自分の利益のためには国を売るという姿勢に眉をひそめるのは私ばかりではないでしょう。これは自己保身の端的な例ですが、「国は在外邦人を守る」という信頼があればまた違った対応もあったでしょう。
 「近いうち」に行われるはずの総選挙では、「大阪都を作るかどうか」の問題ではなく、「日本人の国家観」を問い直す一票を投じたいものです。

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