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第93号 (2018/01/01)
北朝鮮危機と憲法改正 参議院議員 西田昌司

国民を犠牲にしても核兵器開発を行う北朝鮮


衆院選直後、「大型補正予算」の要望に総理官邸を訪問

 このところ、日本海側に漂着する北朝鮮の木造船のことが、頻繁に報じられています。実は北朝鮮の沿岸部の漁猟権は、中国に売られていると言われており、そのため彼らが漁をするには、沿岸を離れ日本海を遠く沖合にまで出なければなりません。しかし、冬の日本海をあのような小舟で漁に出ることは自殺行為です。漂着した船以外にも、多くの船が難破していると言われています。文字通り命がけなのです。そこまでして取ったイカですが、彼らは冷凍設備を持たないため、船上で内臓を取り出して天日干しをし、スルメにして中国に売っているそうです。そうやって稼いだ僅かな外貨も国民のために使われるのではなく、核兵器開発に使われていることを思うと、北朝鮮国民には同情の念すら感じます。
 国連の非難決議や経済制裁など国際社会からの非難にもかかわらず、北朝鮮は核兵器開発をやめません。何故、この様に頑なな姿勢を金正恩委員長は取り続けるのでしょうか。経済制裁の結果、国民の困窮は日毎に悪化しています。
 国民を犠牲にしてまで核兵器開発に血道をあげるのは国家としてあり得ない行為です。正に、北朝鮮は世界に例を見ない異常な国家なのであり、そういう国が、現実に我々の眼前に存在しているのです。

冷戦終結により後ろ盾を失った北朝鮮

 約30年前に東西冷戦は終結し、ソビエトは崩壊しました。東ヨーロッパ始め世界中で共産主義体制が崩壊し、それぞれの国で民主化が進んで行きました。ソビエトは、ロシアを始め15の国に分裂し、中国も共産党の支配は続くものの自由化は進んでいます。こうした状況の中、北朝鮮だけはその体制を一層強固なものにしています。それは、自らの後ろ盾を失い世界から孤立していくことに危機感を感じていたからに違いありません。
 東西冷戦の終結により、西側諸国と東側諸国の経済的取引が活発になりました。特に米国と中国とは互いに最大の貿易相手国になっています。アメリカにとって中国は最大の輸入国であり、貿易赤字の大半も中国によるものです。そうした貿易のアンバランスはあるものの、経済的取引が活発になればなるほど、それぞれの国は相互依存するようになって行きます。最早、米中はお互いに相手国の存在が無くては自国の経済は成り立たない状態になっています。これが両国共に戦争への抑止力となっています。同じ様なことが米露の間でも言えます。冷戦時代の厳しい対立の状態から比べれば、確かに、冷戦が終結して世界は平和になったのです。
 しかし、このことは、北朝鮮にとっては自分の後ろ盾を失ったことになります。米中、米露が密接な関係になることは、米朝関係有事の際に、中国やロシアが助けてくれない可能性が有るということを意味します。東西冷戦の時代には、中国やソ連の核の傘で北朝鮮は守られていました。しかし、冷戦後、両陣営が相互依存の状態になると、状況は全く異なります。例えば、中国が北朝鮮を守るかどうかは、米中関係の維持とどちらに価値があるかということを中国がどう判断するかに拠るのです。

冷戦終結により戦争の抑止力は低下した

 かつて、イラクのフセイン大統領は大量破壊兵器を持っているという口実でアメリカの攻撃を受け、国の体制が転換させられた事件がありました。これは、北朝鮮にとっては大きなトラウマになっているはずです。同じことが北朝鮮に対しても行われないとは限らない、それをどう回避するか、彼らは必死で考えていたはずです。そこで、たどり着いた結論が核兵器開発だったのです。核兵器保有国になりさえすれば、中ソの後ろ盾がなくても絶対にアメリカから攻撃を受けないはずだ、そう信じて彼らは核兵器の開発に血道をあげてきたのでしょう。まさに東西冷戦の終結と言う本来世界が平和になるはずの事態が、北朝鮮の核兵器開発につながると言う皮肉な結果をもたらしたのです。
 このように考えると、冷戦の終結は一見平和と経済発展をもたらしたようですが、その一方で各国の安全保障をより複雑なものにしています。かつては東西の対立が激しく、何万発もの核ミサイルで対峙しており、今より随分国際情勢は緊張感がありました。しかし、逆に小さな紛争が核戦争につながりかねないという恐怖心があったために、結果的に平和な時代が続きました。冷戦終結後は、世界中、様々な国で取引が出来るようになり、経済は発展しました。しかし、その一方でそれぞれの国同士の関係が複雑になったため、戦争に対する抑止力は間違いなく低下しています。現に、湾岸戦争を始め、冷戦終結後に世界各地で様々な紛争や戦争が起きています。北朝鮮の核兵器開発は到底認められるものではありませんが、彼らの行動の裏にはこうした世界情勢の変化があったことも知っておく必要があります。

占領の真実を知るべき


麻生財務大臣に「参議院自民党の予算編成」を申し入れ

 こうした世界情勢の変化に対応するため、日本でも安倍政権の下、特定秘密保護法や平和安全法の整備など、安全保障に関わる法制が整備されてきました。しかし、こうした法整備が、憲法違反だとする野党や学者も存在します。そこで、そういう憲法の解釈をめぐる混乱を一掃するためにも、憲法改正が提起されているのですが、改正にはまだまだ反対の人が多数存在していることも事実です。
 自衛隊が必要だとは殆どの国民が感じています。しかし、一方で9条には「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と明記されています。この条文を素直に読めば、憲法と自衛隊との間に矛盾があることを誰もが感じてしまいます。しかし、憲法と自衛隊の矛盾は、日本を占領していたGHQの政策が180度転換したことによるものです。憲法は日本に主権のない占領時代にGHQの指示により作られたものです。また、自衛隊も同様にGHQの指示により作られたものです。この事実だけは改めて確認しておく必要があります。(詳しくは、2015年7月10日発行のshowyou83号に詳しく書いておりますので、私のホームページ等でぜひご覧ください。)
 第二次大戦後、日本が一度も戦火に見舞われることがなかったのは平和憲法のおかげだと言う人がいます。しかし事実は先に述べたように何万発もの核兵器で東西両陣営が対立していたことが皮肉にも戦争の抑止力になっていたのです。核兵器の廃絶を訴える団体が、今年のノーベル平和賞を受賞しました。そうした理想を否定するものではありませんが、歴史の事実は事実として受け止めなければなりません。

自らの国の歴史をもう一度総括すべし


北陸新幹線(敦賀・大阪間)早期完成を目指す建設促進決起大会にて挨拶

 第二次大戦、特に日本にとって大東亜戦争とは一体何だったのか、このことについて日本人自身が振り返り総括をしたことは、ただの一度もありません。戦勝国による総括がされただけです。それが東京裁判であり、そうした歴史観に基づいて憲法を始めとする占領政策が施行されてきたのです。この占領の間に日本は歴史的にも思想的にも完全に戦前と戦後とに分断されてしまいました。その結果、日本人は自らの歴史を自らの歴史観で考えることができなくなり、更にアメリカが与えた歴史観しか持ち合わせていないため、世界の情勢を多角的に考えることができなくなってしまいました。
 また、武力放棄をすれば世界が平和になると教え込まれたため、国防意識があまりにも脆弱です。その結果、冷戦が終われば、世界は平和になり経済は発展するという表面上の理屈にのみとらわれて、日本の安全保障環境が悪化する事態も起こり得るということを見落としていたのです。この点では北朝鮮の方が、冷戦終結の意味することを的確に捉えていたと言えるでしょう。

北朝鮮が核保有国になった時、日本の安全保障はどうなる

 先日の北朝鮮による発射実験では、大気圏再突入は失敗したといわれているものの、距離的にはアメリカ大陸まで到達できるだけのミサイル技術を確立したようです。残念ながら、このままでは、北朝鮮が事実上核保有国になる可能性を否定できません。その可能性も現実として考えておかなければなりません。
 北朝鮮が事実上の核保有国になり、その射程がアメリカ大陸まで届くということは、日本がアメリカの核の傘で守られるとは限らないということを意味します。
 核の傘とは、核保有国が同盟国に核兵器の抑止力を提供し、安全を保障するという意味です。日本に北朝鮮が核攻撃をすれば、アメリカが報復の核攻撃をすると言うことです。そのことが抑止力となり、日本は核攻撃を受けないはずだ、まさにアメリカの核兵器という傘が日本への核攻撃を防いでくれると言うことです。これは、アメリカの圧倒的な核攻撃力が核の傘の前提になっています。しかし、北朝鮮が核保有国になれば、この前提は崩れてしまう可能性があります。
 今までは北朝鮮がたとえ核兵器を持っていてもそれをアメリカまで到達させる能力はありませんでした。しかし、それが出来るミサイルを完成させたなら、アメリカに直接核攻撃をできる能力を持つことになります。もちろん、本当にアメリカを核攻撃すれば、アメリカはその何倍もの核攻撃で報復し、北朝鮮は消滅してしまうでしょう。従って、北朝鮮がアメリカに先制の核攻撃をすることはまずないでしょう。
 しかし、日本への核攻撃の場合は違ってきます。日本が核攻撃を受けた場合、日米安保条約によりアメリカが北朝鮮に対して報復の核攻撃をすることになります。そうなると、当然北朝鮮はアメリカに対しても核攻撃をすることになるでしょう。当然、アメリカは何倍もの報復核攻撃をし、北朝鮮は消滅してしまうでしょう。しかし、その前に北朝鮮の核攻撃により、アメリカのどこかの都市が大きな被害を受ける可能性が出てきます。アメリカが日本を核の傘で守ったことが、結果的にアメリカ国民の命を奪うことになるわけです。同盟国を守るため、何十万人ものアメリカ国民が犠牲になる、こういう選択をアメリカが本当にするでしょうか。もし、自分がアメリカの大統領ならどうするか、皆さん方はどう思われるでしょうか。
 いずれにしても、北朝鮮の核武装はこうした問題を我々に突きつけているのです。まさに、「自分の国は自分で守る」こうした安全保障の原点について、日本人は自ら問い直さなければならない時代が来ているのです。そのことを国民にしっかり訴えなければなりません。それが政治家の責任であると思うのです。本年もよろしくお願い申し上げます。

瓦の独り言
−吉例顔見世興行の最適数に学ぶ−
羅生門の瓦

 3回×540席×26日間 ≒ 2回×1200席×18日間
この数式の答えは約42、000で「當る干支年 吉例顔見世興行」の観客数です。
京の年末行事である南座の顔見世は、耐震工事のため、一昨年から会場を変えて興行が行われています。昨年はロームシアター京都(旧京都会館)のメインホールで12月1日から18日までおこなわれました。また、11月25日にはロームシアター京都に「まねき看板」が上がりましたが、歌舞伎400年の歴史の中で南座以外に「まねき上げ」が行われたのは初めてでした。
 さて、この数式の左辺は一昨年の顔見世興行の観客数です。会場は先斗町の歌舞練場で540名しか入れないので、一日三回公演でした。期日は26日間でしたが、役者さんの方から日に三回公演はせわしない、とブーイングが・・・
 右辺は昨年の観客数ですが、ロームシアター京都のメインホールは4階席を除いても1600名は収容できますが、主催者の松竹鰍ウんによると舞台を十分楽しんでいただくには1,2階と一部の3階席で1200名しか使わないとか。さらに興行日数も少なく18日間です。これは、昼・夜の部に空席を造らないためだそうです。全国から来られる年末の吉例顔見世興行の観客数を約4万人強と踏んでおられ、切符が取れない、取れない、といった状況で千秋楽を迎えるのが好ましいのでは・・・
 これをビジネス感覚で数式をたてると、1回の公演で大人数を入れ、ロングランの上演をする。昨年のロームシアター京都の場合ですと、2倍近い八万人の動員も可能です。しかし、吉例顔見世興行は人が演技をする「歌舞伎」です。映画ならいざ知らず、歌舞伎の動員には「最適数」なるものが存在しているのでは・・・
 歌舞伎の興行における最適動員数は、金儲けの世界には通用しませんが、我々の日常生活に通づるものがあるような気がします。右肩上がりの時代には数値を追い求めましたが、現在では数値よりも「質」(クオリティ)を求める時代です。 「伝えよう、美しい精神(こころ)と自然(こくど)」をキャッチコピーとしている西田昌司参議議員の政治姿勢にも何か通じるものがあるようなきがします。これは瓦の独りよがりの思いではないと思っていますが・・・
 これが「當る戌年 瓦の初夢」です。 最後になりましたが、本年もよろしくお願いいたします。
 *冒頭の数式は、瓦が勝手にたてた数式であることをお断りしておきます。

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