平成29年7月27日
真アベノミクスを求める要望書
故郷を支援する参議院議員の会
アベノミクスは金融と財政と民間が協調して経済を再生させるプログラムであり、その方向性には問題はない。
しかし、期待通りの成果が上がっていないのが現実である。その一番の原因は、PBに縛られ事実上財政出動をしてこなかったことである。政府が積極的に財政出動をせずに民間に積極的投資を期待するのには無理があった。
少子化対策や、地方喪失対策など国民の切実な要望に真剣に応えるのが政府の使命である。これを、財政規律を理由に拒否することはあってはならない。経世済民こそが政治家の使命なのである。
今こそ、政府挙げて国民の切実な要望に耳を傾けるべきである。災害対策のための国土強靭化は勿論のこと、新幹線のネットワークの充実や高速道路網の整備をはじめとするインフラ整備の長期計画を立案し必要な予算措置をすべきである。
少子化の原因の一つが家計における教育費の増大化である。給付型の奨学金の拡充始め、国公立大学の授業料を低額に戻すべきである。地方を支える優秀な人材を地方で育てることは、東京一極集中に歯止めをかけるためにも重要である。
地方交付税を増額し、地方予算を政府が財源保証することも地方再生のためには重要である。その他、各省庁に経世済民のためにすべき10年計画を作成させ、必要なものから順次予算化させることが重要である。
大切なことは、政府が経世済民のための長期計画を作成し、順次予算化することである。これにより財政出動額が長期的に増えるためGDP増加に直接的効果がある。また、長期計画を国民に知らせることで、それに協調する民間投資が増える。経世済民のための長期計画を示すことで国民が将来不安を払拭する。それが、少子化に歯止めをかけ消費を増やし、結果的にデフレから脱去し、経済を成長させることになるのである。
尚、そのための財源は、デフレ期には国債で賄い、デフレ脱却後は、消費税のみならず法人税や所得税も含めた税制の抜本改革を速やかに行い、社会保険料も含めた国民負担率を西欧並の50%程度に引き上げる必要がある。
ビジネスサイドからの目線ではなく、国民サイドからの目線による経済政策、それが真アベノミクスである。直ちに、真アベノミクスに基づく経済対策を行うことを求める。
参考
我々のアベノミクスの評価は次の通りである
アベノミクスの検証
・異次元の金融緩和
大量の国債買い入れにも拘らず、市中に資金供給できない状態が続いている
その結果、2%のインフレ目標も達成できず
銀行の貸し出しが増加していないことが原因
特に地方銀行は貸し出し先が不足
要するに地方での需要不足が貸し出しが増えない原因
・機動的財政出動
第二次安倍内閣発足直後の補正予算以外実質的の財政出動していない
PB黒字化に固執して、当初予算での予算拡大を避けた
この結果、各省とも新たな長期計画が提案出来ない状態が続いている
少子化対策、地方創生など地方が要求する政策に十分な予算が付かない
・民間の成長戦略
政府が少子化や人口減少のため財政拡大しない方向を事実上示している
一方、民間には低金利下での投資拡大を要望しているが先行き不安で投資拡大しない
民間投資拡大のため規制緩和を行うが、逆に国民の不信を招く(加計問題など)
規制緩和は恩恵を受ける者と受けない者の対立を生む