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第二次補正予算に向けた提言

令和2年5月14日
第二次補正予算に向けた提言
参議院議員西田昌司


「企業等への資本性資金の供給」について
まずは緊急融資
 現下のコロナショックの特徴は、規模の大小にかかわらず、また産業の如何を問わず、あらゆる業態の事業に壊滅的な打撃を与えていることである。その原因は、コロナ蔓延防止のための経済活動の自粛にある。その結果、富が蒸発しているのである。
 経済活動の自粛により、企業の売り上げは激減している。一方で、事業を継続するためには人件費や家賃やリース料などの固定費は払い続けるしかなく、企業の運転資金は急激に枯渇をしている。
 経済活動の自粛を要請するなら、その補償金を支払うべきであると言う意見は、筋としては正しい。しかし、その補償額を具体的に算定し支払う事は、個々の企業によりバラバラであるから、短期間に資金を供給する事は不可能である。
 そこで、次善の策として、融資により運転資金を供給する方が、企業の倒産を防止するためには有効である。まずは、緊急対策として、無担保無利子、5年間返済据え置きの緊急融資を必要なすべての企業に直ちに実行することが大切である。


資本性資金の供給は中堅企業や大企業には非常に有効
 基本的に緊急融資は、中小企業が対象となっている。しかし現実には、中堅企業や大企業でさえ、コロナショックにより壊滅的打撃を受けている。日本の経済や雇用、地域社会を支えている中心的存在が倒産してしまう事は、日本経済の再生を不可能にしてしまう。そこで、こうした企業を救うために、劣後債や優先株などの資本性資金供給する事は、非常に有効な政策で有り、基本的に賛成である。

資本性資金供給の問題点
 一般的に劣後債や優先株による資本性資金供給は、コスト高い。文字通り返済能力に問題がある企業に融資をするのであるから、市場任せの一般的な劣後債や優先株では、一般の利息よりもかなり割高になると言われている。
 もともと収益率の高い、上場企業などの大企業では、そのコストは負担できるかもしれないが、地方の中堅企業や中小企業では、そのコスト負担は不可能である。実質的に無配当無利息で資本性資金を供給するためには、国がそのコストの財源も供給する必要がある。
 

中小企業には、緊急融資の債務免除を認めるべき
 中小企業は、もともと資本力が少なく、銀行等の借り入れにより経営を続けているのが実態である。収益力も弱いため、利益も少ない。しかしこうした企業が、地域の雇用の大半を担っているのが実態である。
 こうした企業が、コロナショックにより、売り上げの大半を失い、それが1年近くに及ぶとなると、たとえ緊急融資により、今回の危機を乗り越えられたとしても、経営の長期的継続については全く見通しが立たない。
 その理由は、収益力の弱さにある。多くの中小企業は、コロナショックにより失われた収益を、コロナ後の時代に100%取り戻す事は不可能である。結局、コロナショックにより多額の赤字を計上せざるを得ず、それが企業経営を圧迫し、経営の継続を困難にするのである。
 そこで、コロナ後の決算で発生した損失の内、人件費や家賃や地代やリース料等のいわゆる固定費に係る部分については、返済を免除することを提案する。これは、実質的には経済活動自粛の補償とも言えるものである。この金額を債務免除すると、債務免除益が発生し、企業の赤字は大幅に減少する。企業は債務超過を免れるだけでなく、翌期以降で利益が出ることになり税金を払うことも可能になる。企業の経営継続に非常に有効である。
 また、このことを制度として事前に認めておけば、公庫等における融資の審査もスピーディーに行うことができる。なぜなら例え損失が出ても、最後は債務免除と言う制度があるため、公庫側も責任を負う必要がないからである。
 財源は、当初財投債でまかなわれていた資金が、赤字国債に変わるだけであるから、国債残高に変動は無い。民間の債務が国債に変わるだけなのである。かつて、東日本大震災で生じた二重ローンは自民党の提案で債務免除した。今回の緊急融資もコロナ経済自粛がもたらした二重ローンとも言える。


コロナ対策基金を設定
 この債務免除を可能にするには、コロナ対策基金として、あらかじめ50兆円程度枠を設けておけば良い。緊急融資の事業予算が45兆円程度であるから、これだけあれば債務免除には充分対応できる。これだけ有れば、追加で支出することになる様々な給付金もにも充分対応できるはずである。何よりも大きな予算額を見せることにより、国民が安心してコロナ対策に協力し、また、事業の継続のための努力もする。