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消費税凍結以外景気浮揚の方策は無い!(GDP年率換算−7.1%の衝撃を受けて緊急提言)

-7.1%の衝撃
 2020年3月9日に発表された昨年10〜12月期のGDP改定値は、年率換算− 7.1%でした。先に発表された推計値は年率換算−6.3%でしたが、それを大幅に下方修正したものでした。しかもこの数値には、コロナショックの影響は全く入っていません。消費増税や災害等の影響によるものだけの数値です。これにコロナショックを加えれば、おそらく年率換算で10%を上回るGDPの低下になるでしょう。
 現在の日本のGDPは約540兆円ですから、10%と言えば50〜60兆円の利益が一度に吹き飛んだことになります。この衝撃が日本経済に与える影響は、計り知れないものです。今まで経験をしたことの無い経済危機に、日本は直面しているのです。

金融政策では、倒産を防げても成長できない
 このような事態を受け、日銀や金融庁も緊急融資の実施を表明しています。コロナショックのため、突然売り上げが激減した観光業などでは、有利な条件での緊急融資が必要でしょう。しかし、これらの政策で倒産を抑えることができても、次の投資を増やすということには中々つながりません。
 金融政策は、借り手が存在しないと機能しません。資金繰りのための緊急融資は倒産防止のために必要です。実際、そうしたお金を貸して欲しいという借り手は、大勢存在するでしょう。
 しかし、こうした経済危機の状況下では、どんなに有利な融資条件でも、事業拡大のためにお金を借りる人は中々現れません。特に、経済の下降局面では投資リスクが大きくなるため、普通の人は投資を控えるものなのです。

まずは、消費税の凍結が数年間必要
 こうした状況下で景気浮揚させるには、財政出動や減税などの政府の積極財政が必要になります。特に、直接需要や雇用をもたらす公共事業などの財政政策が必要です。しかし、こうした事業を受注できる事業者は限られていますから、供給力を超えた需要を作っても仕事をこなすことができません。そこで財政出動をする場合には、こうした事情を考慮して実施しなければなりません。
 今回のように、GDPの10%を超えるような経済危機を救うためには、それ相応の予算が必要です。しかし、補正予算のような単年度のものでは、1年間で受注することができる業者の能力に限界があるため、財政出動には制限が掛かってしまいます。ましてや、GDPの10%に上るような金額を一度に補正予算で発注する事は不可能なのです。
 一方で消費税を0にすれば、28兆円の減税になります。物価が事実上10%下がるのですから、消費や投資を増やすことに即効性があるでしょう。その上で、20〜30兆円程度の財政出動をすれば良いのです。これくらいの事業なら受注する業者もこなすことができるでしょう。これと消費税減税と合わせれば50〜60兆円の経済対策になるのです。

補正予算による景気対策は、単年度で出来る即効性のあるものを
 コロナショックで一番落ち込んでいるのは観光産業でしょう。しばらくの間、事実上の移動制限がかけられていましたから、国民のストレスも大きいと思います。コロナショックの終息宣言が出されたら、景気対策と国民への社交自粛の協力への感謝も含め、旅行クーポンを支給すべきです。有効期限をつけて、配布すれば必ず消費につながります。一人あたり2万円なら約2兆5千万円です。これだけ有れば、国内旅行に弾みがつくでしょう。
 その他ホテルの休業補償など、イベント自粛で多大な売り上げ減少に見舞われた事業者への援助も必要です。こうしたコロナショックで実害を受けた方への補償を行うことを、早く政府が宣言することが大切です。まずは、コロナウィルスの蔓延の消息が大事ですが、その後、経済を立て直すには、国民の不安を払拭することが重要なのです。

来年度以降の本予算を毎年20兆円規模を10年間拡大すべき
 民間投資を伸ばすには、政府の長期投資計画を国民に示すことが必要です。それにより、国の将来投資が分かり、民間企業もそれに関連する投資を行うことができるのです。国土強靭化や新幹線ネットワークの早期実現、高速道路のミッシングリンクや暫定2車線の解消など、必要な長期計画は沢山有ります。
 問題は、その完成年度が財政難から示されて来なかったことです。今回のコロナショックからV字回復するためには、完成年度をしっかり示して、予算措置をする必要が有ります。その目安として、それぞれの計画を10年単位で目処をつけることが必要です。
 また、長期計画を示すことにより、受注する事業者も雇用や生産設備をあらかじめ準備することができるため、人手不足に陥ることなく生産能力を高めることができます。

財源は国債発行で調達可能
 以上の様な経済対策をするには、毎年50〜60兆円規模の財源が必要です。それが10年間ですから、10年間で500〜600兆円になります。この財源は国債発行で賄えば良いのです。MMTの項で述べている様に、自国建通貨を発行する政府が自国建の国債を発行することには、何ら財政的制限はありません。政府はいくらでも国債発行により財政出動ができるのです。唯一の問題は、インフレ率の上昇をどの程度にするかという政治判断だけです。
 インフレを恐れて、必要な規模の財政出動をしなければ、そのまま恐慌に陥ります。それより、大胆に財政出動を行いインフレになる方が遥かに正しいのです。何故なら、我々は、インフレを抑える方法を熟知しているからです。この20年間の政策をそのまま実行すれば良いのです。まず、インフレ率が5%以上になれば、消費税を復活させれば、たちどころにインフレは止まるでしょう。まずは、3%からスタートすれば良いでしょう。
 また、それでも収まらないなら、公共事業などの完成年度を数年遅らせれば、事業費を抑えることもできます。これは事実上の公共事業費のカットです。こうしたことがデフレを招くことを私たちは良く知っているのです。
 今、令和恐慌を未然に防ぐには、こうした平成の失敗を活かすことが必要なのです。それを理論的に示しているのがMMTなのです。